書籍を買うとPDFでフルテキストがついてくる内科学書が改訂されたのでレビューしていきます。iPadでの勉強が広がりつつある医学生にとって、注目の1冊になることは間違いなさそうです。
- PDFは複数台で使えるのか
- PDFの検索性は?
- PDFの機能に制限はあるのか
に注目ですね。
PDF付き内科教科書の内科学書を購入しました!レビューします!https://t.co/UkM2Bx3MAR pic.twitter.com/fGIOUfKNYX
— iPad勉強方法→でじすたねっと (@digista_net) September 12, 2019
PDFがついてくる唯一の内科学の教科書
このサイトでは教科書をスキャンしてPDFにする方法なども紹介していますが、この内科学書は、書籍にPDFダウンロード権がついてくる珍しいタイプの教科書なのです!
つまり、
- 自分でスキャンしてPDFにする必要がない(時間+スキャン設備が不要)
- スキャンするために書籍を裁断する必要がない(書籍+PDFが手に入る)
という大きなメリットを持った医学書になります。
PDFはどうやってダウンロードするのか
- PDFのダウンロードは書籍に付属するコードを専用サイトで打ち込んで登録
- 誓約書に同意
- 名前、所属、住所なども登録
- 手動での承認
- ダウンロードサイトにログインしてダウンロード
という形式です。
中山書店の会員登録→内科学書の登録
という感じで10分くらいかかりました。
コードを打ち込む
シリアルコードはVol.1の1ページ目にこのように織り込まれています。
モザイクがかかっているところにダウンロードキーがついています。
規約に同意する
中古品のシリアルコードはだめですよ~といった内容。
誓約書に同意が必要#内科学書#PDF#医学生#研修医 pic.twitter.com/K6TgFnFVup
— iPad勉強方法→でじすたねっと (@digista_net) September 12, 2019
住所・所属・名前などかなりの情報を打ち込む必要がありました。
必要な情報は多め。
PDFをばらまかれることを防止するために多めの情報を入力させている可能性もあります。
まさかの手動承認システム
全部の情報を登録して、やっとダウンロードできると思ったらまさかの手動承認システムでした。
公式サイトがこういうんでしょうから、そうなんでしょうね。
【中山書店だより】ご購入ありがとうございます!
— 中山書店 (@nkymstn) September 13, 2019
そうなんです、登録については担当の社員が手動で対応しております。でもなるべく早く皆様がお使いになれるよう努めております。ご了承ください(涙)。 https://t.co/Psfnn7lW0S
数日はかかることを覚悟したのですが、15分で承認されました。たまたまでしょうか。
Twitterではもっと時間がかかったとの情報あり。
夜の20時半に登録して、15分で承認されてたけど、手動だとしたら担当社員さん、どんだけ働いてるんですか笑 https://t.co/RHX78TOwRE
— iPad勉強方法→でじすたねっと (@digista_net) September 14, 2019
ダウンロードする!!
ダウンロードサイトはこんな感じです。
PDFは書籍と同様の分割されたPDFです。
PDFの性能は?
気になるのがPDFの性能。
詳しくレビューしていきます。PDFの画像は著作権上、載せにくいので文章が中心の説明になることをお許しください。
また、配布されるPDFが途中で改変され、仕様が変わる可能性もあります。それによってここで紹介した機能が急に使えなくなる可能性もあります。(ダウンロードしたタイミング使えれば、それ以降は使えるはずです。)ご了承ください。
PDFは複製可能!!(コピーは禁止との記載はあります。)
筆者のように複数端末で利用している人にとって気になるのが、PDFが複製可能かどうか。
バックアップの観点でも重要になってきますね。
ソフトで調べてみると内科学書のPDFは複製可能です。(一応コピー禁止との記載あり。)
ダウンロードも複数回可能な仕様なので、コピーする必要性はあまりないとは思いますが。
複数回ダウンロードできるので、複数端末を使う人にとっては嬉しいですね。
普通に考えてもわかると思いますが、PDFを人にあげるのは違法ですので、ご注意を。
教科書PDFを他の人と共有するのはPDFの所有者である、あなたにとって危険な行為です。共有した人が別の人にコピーして渡す → その人が別の人にコピーして渡す →続 という過程で無限に複製・拡散されていく可能性があります。PDFは複製しても損失がないことから、「コピーをくれない人は意地悪。理解できない。」というような思考の人が一定数います。一度そのような人にPDFが渡ると、その人は善意でPDFを他人に配布するようになります。もしかしたら皆さんもそのような人を見たことがあるかもしれません。教科書のPDFが拡散されたとき、真っ先に責任を取る必要があるのは、所有者のあなたです。唯一の対策は、人に渡さないこと。お気をつけて。
PDFの検索性能
- PDFは最初から検索可能
- テキストで埋め込まれており、完全な検索
テキストがそのまま残っているので、検索性能は最強クラス。
自分でOCR化する必要がないのも嬉しい点です。
本文のコピー → 可能
本文のコピー&ペーストも可能です。
面倒なレポートづくりにも役立ちそうですね。
コピペでも「参考文献:内科学書」とすれば、教授に文句を言われることは少なくなるはずです。(「引用:インターネット」よりはずっと印象がいいはず)
PDFアウトラインは?→かなり充実!!
概要を把握したり、目次のように使えるPDFアウトラインはかなり充実しています。
これがしっかりしているだけで使いやすさが違うので、嬉しいところです。
GoodNotesへの取り込み→不可能
実は非常に残念だったのがGoodNotesへの取り込みができなかった点です。
PDF自体にパスワード保護がかかっているようで、GoodNotesに取り込もうとするとパスワードの入力を求められます。
中山書店としてはPDF→GoodNotesのような外部形式にされてしまうと保護機能が弱まってしまうので許容できないでしょうね。
ここは唯一の残念ポイントでした。
書籍についているコードを入力してみても↓こんな感じで弾かれてしまいます。
PDFはどのアプリで使う??
上記に書いたとおり、PDF→他の形式への変換は規制されているため、ノートアプリの類は選択肢から外れてきます。
筆者は教科書用のリーダーとして利用しているPDF Expertを使用して使っていく予定です。PDF Expertは読むための機能が豊富なので、とても使いやすいアプリですのでおすすめです。
無料版のDocumentsでも十分使えるはずですので、試してみてください。
内容は? → 難しすぎず理解しやすい。
筆者はハリソン内科学を購入、朝倉の内科学を図書館でよく利用していましたが、中山書店の内科学書は、この3つの中で最も平易にかかれていると感じます。
ハリソン→ 朝倉 →中山 の順で難しいです。
かといって、不足しているかと言われると、丁度いい情報量になっています。
疾患への理解を深めたい医学生~研修医もしっかりターゲットに入れて作成していると感じます。
また、ハリソンにはない日本の医学書の利点として、日本の疫学・実情に沿って記載されている点があります。
特に、医学生→研修医のなかの最も大きなギャップが疫学であると感じます。国家試験に出題される疾患の多くは稀な疾患で、どの病気がどのくらい多いのかという視点は今の国家試験勉強にはありません。
ざっくり知っておくだけでも、イメージしやすくなるので、日本の医学書を使って勉強することはメリットになります。
かといって、疾患の疫学が書いてある本は少なく、医学生向けの国試本には記載がないので、このような内科学の教科書を使うのがおすすめです。
日本のガイドラインからの引用も多く、治療用フローチャートがしっかり記載されているのも研修医としては嬉しい点ですね。
使ってみた感想
「使ってみた」と書いたように、内科学書のPDFとPDF Expertのような検索可能アプリを組み合わせれば、医学辞典アプリのような状態が完成します。
iPadやiPhoneで同期させればどこからでもアクセス可能な環境が完成。
いい感じです。
医学生 X 内科学書 X 予備校PDFテキスト
医学生ならmedu4、Q-Assisitのようなビデオ講座のPDFと同時に検索できるようにすれば、国家試験の勉強を行う上で最強の検索環境が手に入ります。
ライバルはmedilinkアプリか!?
ライバルはmedilinkアプリ。病気がみえるとyearnoteが検索に対応し便利に使えます。
筆者は国試のときに病気がみえるとyearnoteも電子版で揃えていたので、ここにもちょっと感想を。
medlinkでは病気が見えるとyearnoteを全部そろえると5,6万円はかんたんに飛んでいってしまいます。外科の内容や検査についての画像が多めなのが良かったです。
医師国家試験対策の上での内科学書
医師国家試験勉強の中心が国家試験予備校のビデオ講座であることはしばらく変わらないでしょう。
こんな環境の中で、今回紹介したような内科学書のような内科学の成書はどのような立ち位置になるのか?
それは、より進んだ内容を勉強することです。
基本的な内容・国家試験に出た内容は予備校がきれいにまとめてくれます。
でも、それだけじゃ不安であったり、知識的興味からもっと知りたい!となる人も多いのではないしょうか?
そんなときに出てくるのが内科の成書ですね。
内科学書は内科が中心にはなりますが、3万円でPDFと教科書本体が手に入ります。
先程も書いたように、内科学成書の割には優しい言葉で書いてあり、ハリソンほど読むのは辛くありません。
基本的な用語の解説は病気が見えるには劣ります。基本的な用語に関しては、予備校が丁寧に教えてくれるはずですので、実は教科書を開く必要はあまりありません。
国家試験合格後にも違いが生まれてきます。
筆者は医学生時代にはmedilnk環境を愛用していましたが、国家試験合格後はほとんど使っていません。
国家試験合格後にも役立つのがこの記事で紹介した内科学書というイメージです。
研修医になっても使えるというのは思ったよりも熱いポイントなので、6年生は内科学書でいいんじゃないでしょうか!!
まとめ
PDFの性能は非常にいい感じです。
内容もいい感じの内容なので、医学生・研修医におすすめです。
なんといってもPDF付きの内科学の教科書はこれだけなので、それだけで決め手になりえますね。
メリットまとめ
- 書籍 + PDFが同時に手に入る
- 面倒なスキャン作業、スキャン設備が不要
- 検索性能が最強
- iPadに入れてどこでも読める。家でじっくり書籍で読むのもOK
じっくり勉強できて、荷物も軽くなるいい感じの内科の教科書でした。
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もし中山書店の方がこの記事をご覧になって、プロモーション用に追加で画像を提供してもよいとのことがあればご連絡いただけると嬉しいです!→問い合わせ
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