医学科6年の筆者が自分が医学科3,4年に戻れたら勉強の方法についてやり直したいことを紹介します。
電子化について、勉強の深さについて、CBT対策・国試対策についてです。
3,4年生の学習内容は国試に活きる!はずが、、、
国家試験に出るのは臨床医学の内容が大部分です。
医学科3,4年生は臨床医学の座学が行われる大学が多いと思います。
基礎医学の暗記大会が終わり、時間的な余裕ができている人も多いのでは無いでしょうか?
一方で部活動では幹部学年になったり、勉強以外のバイトにも慣れてきてお金を稼ぐ人も多いと思います。
こんな感じで勉強が一段落した感じのする3,4年生ですが、勉強面に関しては臨床医学の座学が始まり重要な時期でもあります。
そして数々のテストがある時期でもあります。
この忙しい時期に臨床医学の勉強をいかに効率よく行うかが国家試験の勉強にも重要になっていきます。
臨床医学の定期試験:教授のこだわり問題が襲ってくる
3、4年生は臨床医学のテストが大量に襲ってくる時期でもあります。
テストの難易度、まとめて行うか、バラバラに行うかは大学によって異なります。
いずれにせよ大量のテストというのは嫌なものです。
この臨床医学の定期試験の特徴は、臨床の各試験ではこだわりの強い教授がこだわりの強い問題を出題してくる可能性が高いことです。
国家試験でも出題されないような各自の専門分野の問題です。
この様な問題に対応するには授業プリントと過去問しか手がありません。
過去問を見て勉強する医学生は体系的な知識を得る時間もなく、一部分に特化したような知識を理解できずにしょうがなく、暗記します。
基礎もできていない、科目の概要もわかっていないのに応用問題を解く必要が生じるので暗記に頼らざるを得ないのは必然です。
そして、テストが終わるとすぐに忘れてしまいます。
大量のテストをこなしていく中で、過去問を暗記するだけの勉強になっていく人も多いです。
いやホントこだわり問題勘弁してください。せめて他の科の先生に解かせて解けるくらいの問題にしてくださいよ。絶対解けない問題あるでしょ。
CBT:時間があれば知識を体系化できるが、時間がないとまたもQBの暗記に
臨床実習の実習に入るにはCBTに合格する必要があるため、3,4年のどこかのタイミングからCBTに向けて全ての基礎医学の範囲、臨床医学の範囲を一気に勉強していく必要があります。
時間のない人がCBTの勉強を理解重視で行っていくのはとても難しいです。
臨床医学の定期試験ではこだわりの強い問題の為に断片的な知識しかないためです。
【筆者の場合】いざCBTの勉強を始めようと、QBの問題を解き始めると、知らない疾患が並んでいます。
聞いたことある気がする疾患も、どのようなものかは説明できないものが多い状態にあります。
あんなに詰め込んだはずの基礎医学の知識も気づけば忘却していて、動脈の名前すら分からない部分がある。
時間がない人ほどQBの答えを暗記していく勉強になりがちです。
ここでの問題点はQBメインの勉強になる点です。
CBT版のQBはCBTのための勉強には最も効率が良いですが、国試対策としては効率がイマイチです。(もちろん時間がなくてQBのパターン暗記に頼らないと行けない人の話です。)
その理由は、CBT用のQBは絶対に国試の勉強のときに使わないからです。
辞書2.3冊分あるんですよ。国試の勉強のときにまた開きますか?
筆者はCBTが終わったら速攻捨てました。正直、でかくて重くてかなり邪魔です。
臨床の勉強が始まると基礎医学の標準シリーズや解剖学アトラスを持ち歩いている人がいないのと同じですね。
勉強内容の忘却は誰にでもあると思います。
いい覚え方やしっくり来た図などがあってCBTのときに利用していても、国試の勉強のときには忘れてしまっているのはもったいないです。
ちなみにMECやTECOMのCBT対策のテキストも国試の勉強の際に使っている人を見たことがありません。
【追記】CBT QBが電子版だけになるという話を聞きました。Online版のものだけでは期限が切れたらCBTで使った問題にはアクセスできなくなってしまいます。
CBT→国試につなげるためにも、より考えた勉強が必要になってきますね。
国家試験の勉強のときには新しいテキストがやってくる
ちなみにCBTが終わると国家試験の勉強が始まりますが、このときに新しくやってくるのが予備校の動画講義&テキストです。
やってくるといっても買うんですけどね。
進研ゼミみたいな量のテキストが来ます。
筆者は進研ゼミを溜めまくり、捨てていた小学生でした。
今の国家試験の勉強の中心は医師国家試験予備校の動画講義です。
過去問で出た知識をテキストにまとめてくれているので、一番効率の良い勉強ができるのでほとんど全員受講していると思います。
理想の勉強は定期試験→CBT→国試を結びつけること
筆者が考える3、4年生の理想の勉強は臨床医学の各試験の内容がCBTの内容に結びつく勉強です。
具体的には臨床医学の各試験の内容が頭に入っていて、CBTの問題集を解いていくときに、その内容が頭に残っていて問題集が解けるというものです。
賢い人は出来てるんだろうけど、筆者には無理でした。量多すぎます。どんどん忘れてしまいました。
問題点:各テストによって教材がバラバラで勉強内容が結びつきにくい
頭に入れていおくのが難しいなら、ノートや参考書を同じものを利用して勉強していれば内容も思い出しやすいはずなのです。
しかし!
実際にはこれまで紹介したように
- 臨床医学定期試験→ 授業プリント&過去問
- CBT→CBTのQB (online)or CBT用の予備校テキスト
- 国家試験→国試用予備校テキスト
というように使用する教材がバラバラです。
連続性をもった勉強に近づける方法
ここまでの話の流れで分かると思いますが、解決策は基礎医学→臨床の定期テスト→CBT→国試を結びつける勉強を心がけることです。
頭の中で結びつけることが理想ではありますが、忘却しないという人は少ないと思います。
少なくとも昔の教材にすぐアクセスできる状態にしておくことが重要かと思います。
いくつか筆者が考えた方法を紹介していきます。
Twitterで新しい方法を教えてもらえたらここでも追加していきたいと考えています。
このサイトでオススメしているiPadなどのタブレット端末をしようした電子化の方法や筆者が行ってみて失敗したことも含めて書いてあります。
解決案1:同じ教科書を使うようにする
一番簡単な方法です。
同じ教科書を定期試験でも、CBTでも国試でも使用する方法です。
メリット
- 簡単に実行できる
- 内容の偏りが少ない
デメリット
- 自宅以外で勉強する人は持ち歩きが不可能な量になる可能性も
- 最初の段階(3年生)と最後の段階(6年生)では分かりやすい教科書のレベルが変化している可能性がある。
教科書が結構好きでいろいろな教科書を購入するも、家以外での勉強が好みのため実際に勉強するときに手元にない状態に。必要とするタイミングで手元にないのであまり読まないという残念な結果に。
- 網羅性のある教科書
- 持ち運びに対応する教科書(1箇所で勉強する持ち運びの必要のない人には関係ないかも)
人体の正常構造と機能についてはオススメ過ぎて別記事にしてあります。
筆者は持っているほとんどの教科書をスキャンしてPDF化してiPadで読めるようにしました。
その方法も詳しくまとめました。以下の記事を参照にしてください。
解決案2:授業プリントを活用する
授業プリントの形態は大学によって様々です。
授業プリントが分かりやすく、整理しやすい人にはオススメの方法です。
大学によってはこの方法が定着している場合もあるかもしれません。
筆者の大学の場合には授業プリントのサイズがバラバラで内容にも偏りがあったので、あまりうまくいきませんでした。
メリット
- 定期試験の内容を活かせる
- 簡単に実行できる
デメリット
- プリントの量が膨大すぎる
- 国家試験に対応していない場合もある
- 内容の偏りがある。
授業プリントをスキャンしてiPadやスマホから見れるようにすれば、持ち運びの点は改善できます。ただし、授業プリントの量は膨大なはずなので、スキャンするなら授業の前後の休み時間にスキャナーアプリやハンディスキャナーを利用して行うのがオススメです。A3サイズのプリントが出現する場合にはスキャナーでは対応が難しく、スキャナーアプリで写真を取る方法が現実的になってきます。
解決案:3 iPadのデジタルノートアプリの活用
筆者は臨床講義の終わり際からこの方法を活用しましたが、その時のノートは今国家試験の勉強をしていく上でも役に立っています。
iPadでのノート作成についてあまり知らない人はデジタルノートアプリを紹介する記事を読んでほしいのですが、かなーり便利です!
▼デジタルノートアプリのメリットを紹介している記事
写真を貼ったりもとても簡単にできるので、授業プリントの写真をとって貼ることも簡単にできます。
授業プリントをベースにしたノートを作成することも可能で、定期試験に強い勉強を行う事ができます。
デジタルノートアプリの活用のメリット
- 授業プリントの写真や教科書の写真など複数の教材をまとめることが可能
- 手書きノートより短時間で作成可能
- iPadで全て持ち歩ける→必要なときに手元にある
- ページの書き足しが無限に可能なので、いつまでも使える
- ノートの1部を簡単にコピーして別の場所に貼り付けられる(ex.定期試験のノートからCBT用のノートに貼り付けられる)
デメリット
- iPadなどの勉強アイテムを揃えるのにお金がかかる
- ノートをまとめることが目的になりがち
解決案4:国試向け映像講座を早くから受講する
ここ数年で新しい予備校ができました。
これによって、集団購入の割引を利用せずとも国家試験用の映像講義を受講できるようになりました。
具体的には
- medu4
- Q-Assist
の2つが早い段階から現実的な価格で受講可能です。(TECOM、MECといった予備校を早くから受講しようとすると現実的でないお金が必要)
国家試験対策のテキストを最初から使用して定期試験もCBTも勉強してしまえというパターンです。
medu4、Q-Assistについては別の記事で詳しく紹介しています。
▼medu4公式サイト
▼Q-Assist公式
筆者は現状medu4ベースのノートで勉強しています。疾患のページの後ろにページを追加して自分で書き込むので勝手に体系的なノートができる点が気に入っています。
- 国家試験に必要な知識がベースとなったノートが作成できる。(的外れ勉強が防止)
- 基本的な項目は映像講義で獲得できる。
- 疾患ごとに項目ができているので、体系的なノートが自動で作成される。(勉強ムラの防止)
デメリット
- 予備校テキストの経年劣化(国試をベースに作られているので、数年経つと内容がガラッと変化している)→medu4のアップデート講座を利用すれば多少は対応可能
- 紙ベースで受講する人には書き足し性能の関係であまり向かない可能性も。
筆者はどうしているか
筆者が落ち着いた状況を紹介しておくと
- 教科書→PDF化でiPadで全て見れるように
- 病気がみえる→電子版で再購入
- ノート→medu4をベースに書き足しを行っている
という状態です。
いろいろ試行錯誤した結果の現状なので、自分的には今の状態に満足しています。
筆者の後悔としては
- 授業プリントをスキャナーアプリでPDF化しておけばよかった。
- iPadでノート作成を定期試験の時から行っておけばよかった。
- medu4を定期試験と並行して進められればよかった(そもそもまだmedu4自体が存在しなかった。)
どれも環境要因が大きい(Apple pencilがなかった、スキャナーアプリがダメダメだった、medu4存在してなかった。)ですが、もっと早く始められていればもっと効率的な勉強ができたと思います。
まとめ
この記事では筆者の後悔とそれに対する対応法を紹介してみました。
筆者の場合には定期試験の勉強しているときには、今使用している教材を高学年になっても使用していると思って勉強していました。しかし高学年になると全く使用せず、iPadに残ったものだけが使える内容になっていました。
要は、定期試験→CBT→国試の流れで同じことを勉強していくので、それぞれ無駄にしないように工夫しようという内容でした。
筆者はデジタル化して勉強しているので、紹介した対策もデジタル化に偏ったものになってしまっていますが、もっといろいろな方法もあると思いますので、自分なりに工夫してもらえれば効率の良い勉強になるかと思います。
「このような勉強法もあるよ」という意見があれば、Twitterやメールで連絡して頂ければ、ありがたく紹介させていただきます!
最後にこのサイトの紹介なのですが、医学生向けの記事をまとめたページがありますのでよければ御覧ください。
▼国家試験の勉強のデジタル化については有料noteで書きました。
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