医学書は最初から電子版で買う?それとも自炊(スキャンしてPDF化)する?【メリット比較】

iPadに医学書を入れたいけれど、最初から電子書籍で購入するか自分で紙の教科書をスキャンするかお悩みの方に向けて書いた記事です。

電子版で購入 or 自炊(紙の書籍を買って自分でPDF化する)それぞれのメリット・デメリット使い分けを紹介してきます。

目次

◎ 電子版で購入するメリット

何より手間がかからない

電子書籍の販売会社の会員登録さえしてあればクレジットカードですぐに購入でき、購入後すぐにダウンロードできます。お店に行く必要もありません。

購入元によるが、画質がいい

画像診断の本などでは画像の写真が紙の書籍よりも画質がいいこともあります。

画像の写真を拡大表示できるのも魅力です。

電子書籍の方が圧倒的に高機能な書籍もある

医学生や看護学生がよく使用する病気がみえるという教科書をご存知でしょうか?

この病気がみえるの電子版はmediLinkというアプリ内でしか使用できませんが、医師国家試験の問題集とリンクする機能が有ります。

まだ電子書籍のほうが高機能な教科書は少ないですが、今後はこの様な書籍が増えることを期待したいですね。

病気がみえる電子書籍版の紹介記事

mediLink版(電子版)病気がみえるのレビュー、おすすめな理由

☓ 電子版で購入するデメリット

紙の媒体より割引が少ない

紙の書籍はネットショッピングをうまく活用すれば10%以上の割引が見込めます。

これに対して電子版の書籍は購入できる会社が限られているため、割引があまりありません。

【追記】最近は割引率の高いAmazonのKindleで医学書の取扱が増加しています。

一度検索してみることをオススメします。

AmazonのKindle storeで検索

使用できる端末の台数が限られる。

会社によりますが、2台までや1台までと使用できるライセンスキーの数に限りがあります。

1台しか使えない場合にはスマホとタブレット1台ということすらできません。

購入元のアプリでしか利用できない

医学電子書籍の共通アプリというのはまだ存在しません。

なので別の会社から電子書籍を購入した場合には、複数の電子書籍アプリを使用する必要が有ります。

どのアプリにどの書籍が入っているかを覚えておく必要がある上に、複数の書籍を一気に検索する機能もアプリごとにしか使用できません。

書き込めない、ラインマーカー部分のバックアップなし

電子版で購入した場合そのまま書き込むことはできません。

せっかくApple pencilでの書き込みが便利なiPadを使用しているのにこれは大きなデメリットです。

ラインマーカーが引けるアプリもありますが、その情報は端末に保存されているので、端末が変わる際に引き継げません。

◎ 自炊(紙の書籍を買って自分でPDF化する)のメリット

どんな本でも電子化可能

紙で販売されている、書籍ならどんなものでも電子化できます。

医師として働いている方が使うような専門的な書籍の中には、電子版が用意されていないものもあると思います。

学生用の教科書にも電子版のないものは存在します。

例えばハリソン内科学は日本語版の電子版が存在しないので、タブレット端末で見るには自分でPDF化するしかありません。

最初は紙の本で購入するので購入時に割引が可能

電子書籍は割引が少ないですが、紙の本なら10%以上の割引が可能なことが多いです。

教科書にはお金がかかるので、少しでも安く済むのはとても良いことだと思います。なお割引の方法は以下の記事を参考にしてください。

書き込みもライン引きも自由

一度PDF化してしまえば、あとは自分の好きなように書き込み、文字の打ち込み、ライン引きが可能です。

何ができるかは、使用するPDFリーダー次第ですが、このブログで現在オススメしているPDF Expertではかなり自由度の高い勉強環境を構築可能です。

iPad proとApple pencil を使用すれば、紙の書籍と同じ感覚で書き込みが可能です。

Mr.Pad
Mr.Pad

自由に持ち運べて書き込みも検索もできて最高!

すべての本をまとめて検索可能

これは管理人的にはかなり大きなメリットです。

全ての医学書を電子書籍版で教科書を購入する場合には、出版元の関係上複数のアプリを使用する必要が出てきます。

使用する電子書籍アプリが複数になると、すべて同時に検索というのはできません。

これがPDF化の場合には可能なのです。この機能もアプリ依存性ではあるのですがPDF Expertで可能です。

んなに難しい機能ではないので、いずれ他のPDFリーダーアプリでも利用可能になるかもしれません。

好きなPDFリーダーを選べる

電子書籍アプリは購入したアプリでしか使用できないようになっています。

そのアプリがユーザーの望むようにアップデートされていく保証はありません。

一方でPDF化した教科書は、いつでも好きなPDFリーダーに乗り換えることが可能ですし、同時に複数のPDFリーダーを目的別に使用することも可能です。

新しいとても便利なPDFリーダーアプリが出たとしても、すぐに乗り換えできる自由度の高さは魅力です。

パソコンでも使える

パソコンを使いこなしている人に不便なのが、電子書籍アプリでパソコンから使用できないものがあることです。

PDF化した教科書ならパソコンからも利用可能です。

パソコンからならパワフルな検索が可能です。

自分の持っている全ての端末に使える

スマホ、パソコン、タブレットと複数端末お持ちの方は多いのではないでしょうか?

PDF化した教科書なら全てに入れられます。

コピーもできますので、書き込みしたPDFときれいな保存用PDFを作って置くことも可能です。

*作成したPDFを友人と共有するような行為は完全に違法です。これを繰り返すと本が売れなくなり、医学書などは作ってもらえなくなる可能性もあります。

☓ 自炊(紙の書籍を買って自分でPDF化する)のデメリット

手間がかかる

これさえなければ最高なのですが、自分でPDF化するにはものすごく手間がかかります。昔は法整備が追いつかず、自炊業者(本を送るとPDFにして送ってくれる)があったそうなのですが、法律が整備されて、自炊業者は違法との判決が出たそうです。

▼外部リンクです。自炊代行業者の逮捕について

書籍電子化の「自炊」代行業者が国内初逮捕…個人でも実は違法な2つのポイントとは?

現在も自炊代行業者は存在するそうですが、確実に法に触れているので利用しないほうがよいかと考えています。

本題に戻りますと、自分でPDF化する場合に必要な段階として、裁断→スキャン→OCR化(画像の文字認識処理)があります。

裁断は裁断機があっても意外と時間がかかる本が多いです。

特に分厚く背表紙や表示が厚い本だと、個人用裁断機では裁断できず、カッターナイフで分解する必要があります。(購入する裁断機のランクにもよると思います)

スキャンに関しては、まとめてセットできるタイプのスキャナーを購入すれば、500ページくらいの本なら5分かからずに終わるかと思います。

ただ、個人用のスキャナーですと、セットできる枚数が100枚程度ですので、スキャナーの横にいて1分おきくらいに紙を追加してあげる必要があります。

OCR化はしなくても読めますが、これをしないと検索できないので、電子化のメリットが半減してしまいます。

これは専用のソフトを購入して、パソコンで行う作業です。タブレット端末やスマホでは今のところできません。大量のOCR処理は時間がかかりますが、夜寝る前にまとめて処理開始させて、パソコンをスリープしないようにして放置しておけば、翌朝には完成していますので、このステップは時間的、作業的には問題になりません。

管理人の場合は、まとめて行うのですが、1冊を裁断→スキャン→OCR化(画像の文字認識処理)の流れで行うと裁断に2分〜5分、スキャンに5分、OCRに5分くらいかかると思います。

大抵はまとめて行うので、OCRは寝てる間に行います。

以下の記事で紙の教科書からPDF化する過程を詳細に解説しています。

初期投資にお金がかかる

これも大きな障害です。初期投資にかかる費用は先程の自炊の裁断→スキャン→OCR化(画像の文字認識処理)に当てはめるとわかりやすいです。

裁断機3~7万円程度、スキャナー3〜5万円程度(セットできるタイプ)、OCRソフトはスキャナーに付属している場合もあります。

より精度を上げたい場合には別途購入になります。1万〜です。

まとめ

電子版、自分で電子化にはそれぞれメリット・デメリットが存在しますが、電子化する場合にはできれば全て統一して自分で電子化すると後々、便利だと思います。ただ、検査画像の多いものは画質が良いため、電子版の購入が圧倒的によいかと思います。

筆者

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