医学部高学年になってきた筆者の目線から、医学部低学年のうちにすべき勉強法を紹介します。
医師になった方の目線とは違うのかもしれませんが、CBT、国家試験対策としては有効だと思います。
特にデジタル環境を早い時期から構築すれば勉強の効率化を図れると思います。
基礎医学の勉強を見直せる形で残す
基礎医学の重要性は臨床医学を勉強していると身にしみて感じます。実習で先生に質問されるのも、基礎医学(特に解剖学)の内容が多かったりします。低学年のうちは暗記事項が多く、知識同士がつながらないので辛いです。しかし、基礎医学でいろいろ勉強した内容は臨床医学の基礎になります。
・生理学→病態生理(どの様な機序で症状が起こるのか)の基礎
・薬理学→治療の際の禁忌、副作用の知識につながる
・解剖学→手術の基礎、病態生理学、癌の転移
・生化学→小児の先天性代謝性疾患で再度出てくる
・組織学→病理像(病気の組織像)が国試などに出るのですが、正常を知らないとそもそも異常かどうかすらわかりません。
基礎医学も無駄にはならないものです。必ずしも低学年のうちから鬼のように勉強する必要は無いかとは思いますが、せっかく勉強するので、あとで取り出しやすい形で保存しておくといいかと思います。具体的には、
・教科書に知識を書き込んでおく
・プリントは整理しておく
・まとめノートは捨てない
などです。このサイトはデジタル化推しなので、紹介しますが、デジタル化して残しておくととても便利です。いきなりiPad Proを買えとは言いませんが(もちろんあったら超便利です。)スマホを利用して、まとめノートを時間のある時に写真にとってEvernoteに入れておいたり、スキャンしてデータの形で保存しておくと後々便利です。基礎医学の教科書は高学年になるとまず持ち歩きません。自宅勉強派の人はいいですが、外で勉強する人はデータ化して持ち歩けるようにするのもいいかもしてません。授業プリントは捨てるかファイリングしておくかの2択だと思います。ファイリングしてない授業プリントはまず目的のプリントを探すのも大変です。
基礎医学の教科書は人体の正常構造と機能という教科書がとてもおすすめです。これで勉強すると成績が上がるのではないかと思います。大学によってはほとんどの人が持っているとの噂も聞きました。
▼紹介記事です。
勉強のデジタル化を行う
筆者がデジタル勉強を始めたのは4年生からでした。iPad Proがまだ発売されていなかったのと、iPadの安価なモデルがなかたので、デジタル勉強を早くから始めることは難しかったですが、今の状況ならすぐに始められます。勉強のデジタル化を早く行うメリットを紹介します。
下級生のうちの方が時間がある
デジタル化をしっかり行おうと思うと、準備に多少の時間が必要です。下級生の長期休みや暇な期間を利用すれば、準備をゆっくり行うことができます。特に教養の勉強を行っている時期は時間も余っていて、暇をもてあます人が多いはずです。この時期にデジタル化の準備を進めれば、臨床医学が始まってからの忙しい時期を有利に進めることが可能です。時間があることを利用してバイトでお金を稼いでiPadやスキャナーを購入しておくのも有効です。医学生が本気になってバイトすれば時給は2000円を超えるものが結構あると思いますので、10万円くらいのiPadや4万円くらいのスキャナーも親の援助無しで購入することが可能です。
授業プリントをスキャンできる
下級生のうちからデジタル勉強を始めれば、授業と同時に授業プリントをスキャンできるので、全ての情報をデータ化することが可能です。上級生になって授業が終わってからデータ化しようと思っても、膨大なプリントの量でスキャンする時間はありません。授業とリアルタイムでスキャンしていたら、休み時間に友達と話しながらスキャンしておくなどすれば時間を無駄にせずにデータ化が可能です。
▼持って歩けるようなポータブルスキャナーも安く売ってます。
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授業プリントを全てデータ化するメリット
将来的に授業プリントを全て持ち歩ける環境になる
授業プリントは試験勉強でもよく利用するので、見る機会は多いものです。しかし、量が多くかさばるので、その試験が終われば持って歩くことなどありません。目次がついているわけでもないので、目的のプリントを探すのも大変です。家で勉強する派の人も試験が終わればは見る機会が少なくなります。一番勉強したプリントを試験が終わればもう見ないと言うのは勉強効率から言えば非常にもったいないことです。医学は関連する内容が多く、一度習ったことが別の科目で出てくることはよく有ります。内容が多いので忘却してしまう内容も多いので、見直しを行うことは効率的であると考えます。
授業スライドを元にしたまとめノートを作成
授業スライドの重要部分を写真で撮って、Goodnotesなどのデジタルノートアプリで書き込み、試験対策をデジタルノートアプリで行えば、試験対策のノートがiPad上に蓄積されていきます。こうすることで、試験でよく勉強した内容を復習することが可能になります。また、デジタルノートアプリ上の情報はコピーすることができるので、勉強した内容が臨床の内容と関連してきたときに、同じスライドの写真、メモした内容を新しいノートに移植することもできます。
▼電子化の方法についてまとめたページです。
タイピングの練習をする
実習で研修医の先生を見ていて思ったのは、タイピングのスピードで仕事のスピードが変わるのではないかということです。医師の仕事のうちで電子カルテで書き込む量は多く、外来の診察を見学していても、タイピングが速い先生の外来は患者さんを待たせる時間も少ないです。タイピングが苦手な人はオンラインゲーム(チャット機能でゲームしながら練習する)でも、タイピング練習ソフトでも、勉強をタイピングを使用して行うことでも良いので練習しておくと将来のためになると思います。ちなみに筆者がこのブログを作成している理由の一つもタイピングの練習です。
稼げるバイトを探す
遊ぶにも、教科書を買うにも、外食するにもお金は必要です。親から貰える人はいいですが、自分で稼ぐ必要のある人は早めに稼げるバイトを探す必要があります。効率のよいバイトを探すのは意外に時間がかかります。効率の良いバイトはただ単に時給が良いでけではなく、まとまった時間入れる、大変ではない、融通が効くことなどいろいろな条件があります。実際に一回やってみないと分からないことも多いので、効率の良いバイトを探すには時間がかかるということです。上級生になっても続けられるバイトを探しておくのも人によっては大切かもしれません。時間の融通、変更ができる事は実習が始まってから、バイトを継続するには重要な要素ですので、頑張って探してください。
大学生のうちにやりたいことは早めにやっておく
あとになればなるほど、体力的時間的余裕がなくなってくるので、やりたいことは早めにやっておくことをおすすめします。部活、遊ぶ、趣味などやりたいことがあれば早めにやっておきましょう。6年間あっても、実習、国試の勉強が始まると意外に時間がなくなります。
「病気が見える」を買う
病気が見えるという教科書をご存知でしょうか?医学生やコメディカル(の学生)向けに作られた本で、医学生の所有率はかなり高いと思います。この本は図が多く、かなり分かりやすいので、臨床医学を習っていない学生でみ理解することが十分に可能です。基礎医学の内容も充実しており、解剖学、生理学などは分かりやすので、基礎医学の試験にも役立ちます。なにより、基礎医学の単純な暗記に飽きてきた人にはよい刺激になると思います。この病気が見えるシリーズは1冊3500円くらいで医学書にしてはかなり安いです。現在発行されているものとしては、11冊あります。筆者がオススメするのは電子版で購入することです。
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まとめ
下級生のうちは、大学生生活を満喫しておくのも大切です。一方で、勉強に関して備えをしておくことで、臨床医学が始まってから、効率的な勉強をすることが可能になり、周りと差をつけることができます。このサイトでは、デジタル勉強を利用して、勉強の効率化の方法を紹介していますので、興味がありましたら少し下の画像アイコンから医学生向け目次ページを御覧ください。
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